ダークソウルの対人戦において、「読む」とは、「相手の動きを先読みする」ことを指します。
先読みといっても、未来予知をするわけじゃありません。当たり前ですが。
かといって、当てずっぽうに動くというわけでもありません。
初級者の方は、ふだん「読む」ことのメカニズムを意識していない方が多いので、まずは「読む」とは何かについて説明したいと思います。
なかなか説明が難しいテーマではありますが、「読み」を意識しているのとしていないのとでは、戦い方がだいぶ変わってきます。
相手の動きを読むという要素を自分の戦い方に組み込んでいるかどうかが、初級者と中級者を分けるカギといえるでしょう。
「読む」とは何か?
ちょっと話が反れますが・・・
あるスーパーの店長が、売り上げのデータを解析した結果、「おむつを買った人はビールを買う確率が高い」ということがわかりました。
そこで、おむつ売り場の隣にビール売り場を配置したところ、売り上げが増加しました。
ふつう、冷静に考えて、おむつとビールとの間に関連性を見出せる人はいません。これは、データを解析することで、ようやくそれが可能になった、という話です。ちなみに、このスーパーでさらなる調査をした結果、「おむつを買いにくる人はママよりパパが多く、パパがビールも買う」ということだったようです。
で、一体何の話かというと、人間の脳も、日ごろの経験から得られたデータを常に解析して、データを溜め込んでいってます。
おむつとビールの関係性のように、じっくり考えると関係性がよくわからないけど、状況を見ていてなぜか直感的に、咄嗟にとってしまう行動ってありませんか?それが「読む」というものです。
戦闘の最中に、これまでの対戦経験の記憶に無意識にアクセスして、対戦相手のパターンと一致するデータがないか照合し、「先読み」を実現させます。
たとえば、
・対戦相手は高い強靱度を利用して積極的にスタブをとりにくるタイプのようだ。そんな中、自分が武器のR1を振ったが、ギリギリのところで相手に当たらず空振った。いままでの経験から、このあとは相手が間合いをつめてくる確率が高い(読み)。だから連撃でR2を振れば当たる!
とか、
・相手は武器をエンチャしていて、積極的にこちらへ向かって前進して武器を当てようとしてくるタイプの人だ。そして、相手がこちらに向かってローリングしてきた。そのローリングの着地点と自分の立ち位置が近く、相手の武器の間合いの中に入っている。こんなときは相手がローリング攻撃をしてくる確率が高い(読み)。だからロリスタをとろう!
とか。
実際はこんなふうに文章で表せるほど単純な話ではなくて、戦いの最中の複雑に変化する状況の中で、さまざまな要素をもちいて「読んで」います。
戦闘が始まって、序盤の牽制のときに相手の動きを見ながら、これまで脳内に溜め込んできた対戦相手のデータに無意識にアクセスして、相手がどんなパターンで動いているかをさぐり、先読みするわけです。
これが「読み」のメカニズムです。
場数をたくさん積むことで、脳内に溜め込んでいる「アクセスできるパターン」が増え、「読み」の精度が増していきます。
読まれないための工夫をしよう
「読み」は咄嗟に、無意識に行うことなので、意識して読むための工夫をしようにも、やりようがありません。
「読み」のメカニズムを知ったからといって、今すぐ「読める」ようにはなりませんし。
でも、「読み」のメカニズムを応用して、「読まれにくく」することはできます。
そして、日ごろから「読む」ことを意識している人ほど、「読まれない」ための工夫をしています。
前置きが長くなりましたが、ここからが今回の講習の本題です。
自分の動きに一定のパターンがある人や、単調な動きをしていると読まれやすくなるため、自分の動きに「まぎれ」を出す工夫をします。
たとえば、わざと武器を空振りしてみたり、無意味とも思えるパリィ動作をしてみたり、呪術キャンセル、威嚇のためのフォース、武器をチェンジしてリズムを崩す、などなど。
読むためには、無意識レベルで脳内の記憶にアクセスしないとならないため、まぎれのある動きを混ぜることで、記憶へのアクセスやパターンの照合を妨害でき、読まれにくくすることができます。
だからといって勝てるようになるわけではありませんが、単調な動きをしていては、アッサリ秒殺されてしまいます。自分の動きにまぎれを出す工夫をすることで、秒殺されることを防ぎ、対戦していられる時間が伸びて、上達も早まることでしょう。